理事長挨拶

1型糖尿病の治療法は、インスリンアナログや持続グルコースモニター(CGM)の登場とインスリンポンプ療法とカーボカウント、そしてリアルタイムCGMの搭載されたSensor Augmented Pump(SAP)の普及といった革新がおこっております。さらSAPは、インスリン注入を自動的に制御するClose Loop Systemへと確実に進もうとしております。
2型糖尿病の治療も、各種GLP-1関連薬が登場し、毎日の治療から週1回の治療が可能になり、そしてSGLT2阻害剤の登場などの新たな展開も起こっています。
このような新薬の開発や技術革新による糖尿病診療の進歩は、糖尿病の予後の改善につながると思われます。しかし、小児・思春期糖尿病は、特有の問題や治療の困難性を抱えています。新生児糖尿病や遺伝子異常による糖尿病の問題。成長発達にともなう生理的・病理的問題。入園・入学、進学、就職、結婚、出産と言った社会的転機が与える問題。不登校、家族間葛藤、非行、引きこもり、拒食症といった精神的・心理的問題。家庭環境や経済状態、医療費、幼稚園・学校との関係といった社会的問題などがあります。
この小児思春期糖尿病学会では、小児科医と内科医、そしてコメディカルなど多様な立場の方々が共通の方向性をもって小児・思春期糖尿病の問題について、議論できる研究会です。小児科医療から内科医療へ、あるいは他科へと連携がスムーズに行くためにも情報と問題意識の共有ができる重要な役割を担うものであると思います。
現在、高まる社会的責任のためにも、小児思春期糖尿病学会は小児思春期糖尿病学会へと発展しようとしております。皆様の本会へのご参加とご理解とご援助を心よりお願い申し上げます。

理事長 川村智行
(大阪市立大学大学院 医学研究科発達小児医学)